No43
2005.4.17
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よく、「農業は仕事はキツイかもしれないけど、サラリーマンのように組織のしがらみや職場の人間関係に煩わされることなく、土と作物だけと向き合って生きれるからいいですね。」と言われることがあります。でも、これは大変な間違いです。
農家ほど人間関係に煩わされる世界も少ないのでは?と思えるくらいです。
農業はその特性から地域と深く関わらざるおえません。地域の中で土地の事、用水の事、生活環境の事まで、集まって調整しなけれならないことは山ほどあります。
私が現在関わっている組織を挙げてみると、農事組合、農機具利用組合、作目別組合土地改良区、などなど・・・思いついただけでも十数組織。それに地域の役割も回ってくる。それぞれに役員がいて会議がある。常に二つ三つの役員を兼ね、もう、一年中会議をしていると言っても過言ではないかもしれません。
さらに会社組織と違って問題なのは、農家は小さくてもそれぞれが一国一城の主。話が合わないとなったからといって誰も強制できません。根気よく調整を続けるしかないのです。よくしたもので昔から集落には「あの人が言うのなら・・・」というふうな人望のある人が一人か二人いて何とかまとまってきたようですが、最近は個性尊重という時代の風潮の影響か、それも難しくなってきたような気がします。
まあ、それはそれで人間を学ぶ経験にはなるわけで、悪いわけでもないのですが、気がついたら純粋に土と作物に向き合える時間が貴重に思えてきたりするのも複雑な心境です。
この菜の花は水菜です。
出荷出来るようになる前に花が咲いてしまいました。
本来お彼岸を過ぎてからでないと蒔けないと聞いていたのですが、なにしろこの時期初めての栽培。素人の怖いもの知らずで、もしかしたら出来るかも、とイチかバチか1月頃蒔いたものです。
「何年百姓やっとーと?」と、回りの農家から冷ややかに笑われています。
なーに、何事も経験、と居直っていますが、ちょっと後悔してたりして・・・。
農業は孤独になれるか?
◆初心者の失敗