あたか農園だより
No.87
2008.12.22
そろそろ人参の季節
 金時人参と同時にオレンジ色の洋人参も収穫を始めました。
 この人参は本格的には年明けからですが、直売所やデパートなど用によく成長したのを選んで抜いて出荷をしています。 
 葉物野菜などは生育が悪く、ここにきて収穫も途切れがちですが、人参は品質も良く、あま〜く育っています。

最高の料理人とは?
 最近は野菜の販売先も青果市場だけでなく、直売所、スーパー、デパートなど、多様になってきました。そのひとつにレストラン「ぶどうの樹」があります。
 「ぶどうの樹」は、本店の岡垣店から始まって、小倉の前の伊勢丹や博多イムズなどで人気のバイキングレストランです。最近は東京など全国展開をしているので御存知の方も多いと思います。
 ここの特徴は地産地消、つまり我が家のような近所の農家が育てた農産物を出来るだけ使ったメニューにしていることです。近頃は地産地消ばやりで、どこでも歌い文句のように聞きますが、ここの取り組みはハンパではありません。従業員やシェフが度々農家に来て、野菜がどんなふうに育っているのか見たり、時には作業を手伝ったりします。
 若い頃自身も農業をして、豊作で暴落した野菜を畑に捨てた辛い思いをしたことのある社長は、不揃いでも美味しいこれらの地元食材をなんとか生かせないかとバイキングを思いついたといいます。「曲がったり、折れたりして出荷できないようなのを持ってきて。味は変わらないし、かえって美味しかったりするんだから。」というのが社長の口癖です。
 でも、現場の料理人は大変だろうと思います。曲がったり割れたりしていればひと包丁ふた包丁と手が掛かります。大小、不揃いなら使い方から制約を受けます。なにより、持ち込まれた材料から料理を考えるわけですから、自由に食材を揃えて思いどうりの料理を、というわけにはいきません。 しかし、社長は「それを工夫するのがプロの料理人だ。」とキビシイ。
 よくテレビのグルメ番組などで、有名な産地の厳選された食材だけを揃えて作った最高の料理です、と胸を張る高級レストランのシェフが出てきたりしますが、与えられた条件の制約のなかで最良の料理を工夫するシェフのほうがある意味本物のプロの料理人なのではないかと思ったりします。
ぶどうの樹で季節毎に行なわれる試食会。地元の食材を生かした料理が並ぶ。
 そういうことでいえば、開けた寂しい冷蔵庫を眺めてにぎやかな晩の食卓を作り出す主婦は最高の料理人なのかもしれませんね。
 もっとも、奥様が素晴らしいのか、寂しい冷蔵庫が問題なのか課題は残りますが・・・・。 いいえ、べつに我が家のことではありません。ハイ。

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