あたか農園だより
No.104
2010.5.23
 遅れ気味
 もうすぐ6月と云うのに、今年の赤シソはまだこの状態。特に白っぽく見える奥のほうは、先月お伝えしたように強風で枯れて無くなった跡に急きょ仕立てた苗を植えたところですが、生育の遅れは一目瞭然です。
 このぶんだと、収穫出来るのは6月10日くらいでしょうか。梅の出荷も始まったと聞こえてきて、へたをすると、梅のピークと赤シソのピークが大きくずれて数年前の悲惨な結果に終わりそうな気配に心穏やかならぬ近頃です。

 ただ、遅れてはいますが、品質は今のところ良さそうで、7月半ばまでありますから、出来たら遅めの漬け込みでお願いしたいところです。
 とはいっても、梅も販売期間というものがありますから、赤シソの都合に合わせられるか!と言われれば
それもよくわかりますから悩ましいところです。
 草食系男子とF1種子
 数日前、新聞で固定種のタネにこだわっているタネ屋さんの記事がありました。
最近の野菜はほとんどF1という一代雑種のタネで、その土地に育って代々タネを採り続けられる固定種の野菜は少なくなりました。理由は、F1種は生育が早く、収量も多く均一で生産販売効率がよいからです。
 野口勲さんというそのタネ屋さんは、F1種は生育が早い分、細胞が粗く、光合成の時間も短くビタミン、栄養価も低くなる。野菜本来の味は固定種のほうが良いとの思いで固定種を多く取り扱っているということでした。
 さらに、雄性不稔という技術に依っているF1種はいわば男性機能を喪失したような精子もつ植物。それを食べ続ければ動物にも影響することがありうるのではないかと、男子の草食系化現象と重ねて危惧されています。
 科学的な裏付けは何もないそうですが、本来一粒から年ごとに数万倍と増える生命力を持つタネの中から花粉の出来ない特異なタネを選んで増やし、気がつけばそういう野菜が溢れいる社会というのは何か異常な感じがしないでもないですね。
 我が家の野菜を見てみると、赤シソ、人参、米は固定種ですが、ホウレンソウやキャベツはF1種のようです。
 野菜農家として考えさせられる記事でした。

                    

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