あたか農園だより
No.112
2011.1.22
 寒波に泣く
 1月16日の寒波では外に置いていたバケツに張った氷の厚さが1.5cm。外は畑も野菜もカチカチで、収穫しようにも鎌さえ土に入りません。
 じゃあ、室内で作業を、と思っても、洗っておいた人参は凍りついて、剥ぐのに一苦労。水道も蛇口やホースが凍って使えないといった有り様で、暖冬が続いた最近では珍しい冷え込みでした。
 今までも朝霜で凍った野菜は少し気温が上がれば元に戻るのが常でしたが、今回はちょっと様子が違っていました。
 日を追うごとに、傷んで煮えたようになっていた葉先から枯れてくるのです。
 白い斑点なら、少々ひどくても細胞は死んでいないので出荷していたのですが、「しもやけ」と違って、ひどい凍傷は細胞が死んでいて、人間ならそこから腐っていくように、野菜でも枯れていってしまうので、その葉は全部取らなくてなりません。
 写真のように被害の大きなものは、悪い葉を除いていると無くなってしまうので結局出荷は出来なくなってしまいます。
 かろうじて出荷出来るものでも、そこまで商品として仕上げる為には普段の何倍もの労力が掛ります。その労力を掛けても品質的には普段より良くないのは否めませんから、高い値段で買ってもらうわけにもいきません。
 市場出荷だけなら早々と廃棄するところですが、せっかく注文いただいている分は何とか応えたいと畑中を探しまくって揃えています。ただ、それもいつまで続くやらで、どうやら寒波に泣かされた新年ということになりそうです。
 TPP
 最近、よく耳にするこの言葉、初めて聞いた時は「なんのこっちゃ?」でした。「環太平洋戦略的経済連携協定」、太平洋を取り巻く国の間ですべての関税を無くす取り決めのことだそうですね。
 管首相がこれに参加しようと言いだして、国論を二分しているというところでしょうか。 先日、農協関係でこれに反対する集会というのが地元でも行われたようです。 米価要求や米の自由化反対の時にも思ったのですが、なぜ、とにかく絶対反対一辺倒の運動にしかならないのだろうという疑問です。
 TPPに参加しても農業がダメージを受けない対策はあるのか?という論議を徹底して行い、無ければそれから反対しても遅くないし、説得力があって建設的と思うのですがね。
 それをやると、参加が既定路線のようになってしまうという危機感はわからないでもありませんが、かって、米価も自由化も絶対反対を叫ぶだけで気が付いたらなし崩しに追いこまれ、農業が再生できるような事は何も獲得出来ずに終わった事を考えれば、したたかに条件闘争をやって、そこまでやるなら参加しないほうがいいかも?となってもいいし、事によると、日本農業再生の良いキッカケになるピンチのチャンスかもしれない・・・というのは虫のいい百姓の初夢でしょうか?
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