あたか農園だより
No.114
2011.3.27
 東北・関東大震災
 今月11日に起こった東北・関東の想像を絶する大震災。連日伝えられる傷ましい報道に胸が詰まる思いです。
 大津波が瓦礫とともに田んぼやビニールハウスを呑み込んでゆく様は悪夢としか言いようがありません。壊れた家や車が積み重なった田んぼを前に茫然と立ち尽くす農家と思われる人をニュースで見ると、同じ農家として、その悔しさが伝わってきます。
 田畑どころか、大切な家族も失って生きる希望も気力も無くなって当然です。
 でも、「最愛の妻と生まれたばかりの長男を無くしても、その二人が誇れる夫、父親として生きていきます。被災者のみなさん、苦しいけど頑張って」と、張り紙をした名取市の職員のように、その絶望の淵にあっても、懸命に生きようとする人たちの姿も伝えられています。逆に我々のほうが勇気と日本人としての誇りをもらっているようです。
 こういう人たちがいる限り必ず復興し、美しい東北の姿がよみがえると信じます。

 赤シソの芽が枯れた。
 東北・関東の大震災や、新燃岳噴火の被害に比べたら、恥ずかしくて言えないところですが、我が家の赤シソも自然災害に遭ってしまいました。 よく揃って発芽したと思っていたらある日突然枯れてしまったのです。 赤シソですから赤くてもいいだろう、と思われるかもしれませんが、発芽した頃は緑色なのです。
 指導機関に調べてもらったら、土は調べても異常がないので多分低温障害だろう、ということでした。3月5日に−1.1度まで冷え込んだのです。過去5年以上、3月に零下の記録は無く、他に原因は考えにくいと教えてもらいました。
全面積の三分の一くらいですから、かなりの痛手ですが、被災地の事を考えると、これくらいで悔やんではいられません。
 どれくらいリカバリー出来るか分かりませんが、急遽、補植用に準備していた苗を株分けして箱の苗を増やしました。これがけっこう大変な作業で、赤シソは発芽が悪いので、一つの穴に種を数個蒔いていて、ちょっと育ったときに一本残して、他は捨てるつもりだったのです。それを一本一本ピンセットで根っこが切れないように引き抜いて新しい穴に植えるという、外科手術のような根気のいる作業。
 切れないように抜いたと言っても、新しく植えかえるわけですから、植え傷みもあり、どれだけ生き残るか分かりませんが、取り合えず、出来る事はやるしかないと、いつもは無い余分な仕事を老眼鏡をかけて頑張っています。
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