あたか農園だより
No.162
2015.3.25
 違う季節を好む野菜
 紫の花の咲く雑草の中にあるのは今収穫中のホウレンソウです。この時期少し暖かくなると、草の方が成長が早く、どうかすると作物が負けてしまいます。
 それでも、秋から途切れずに採り続け、うまくいけば初夏まで収穫出来ます。
 寒さに強いホウレンソウだからですが、暑さには弱いので夏はどうしてもうまく育ちません。7月から9月は途切れてしまいます。
  それに比べて、アブラナ科の小松菜や水菜は暑さには強いのですが、晩秋以降蒔くと冬はすぐに芯が出来て売り物になりません。
 秋蒔いた物を何とか2月まで引っ張って収穫しても、そのあとは4月の下旬くらいまでは途切れてしまいます。
 左の写真の小松菜でも本葉がのぞいたくらい。水菜にいたってはやっと芽が出たばかり。収穫は、やはり4月下旬になりそうです。
 同じ野菜でも、作物によってずいぶん性質が違うものです。


 
 赤しその芽が出ました
 黒っぽく筋のように見えるのが生えたばかりの赤しそです。
 これから6月まで順調に生育してくれればいいのですが、なかなかそうはいかない年の方が多いので困ります。
 春一番の強風や潮風で枯れるのが一番深刻で、収穫に大きな影響を受けます。
 そのリカバリー用に数年前からは補植用に苗を仕立てています。これが結構大変な作業で、白菜やキャベツなら一度苗箱に種を蒔けばそれでよいのですが、発芽率の悪い赤しそは、最初蒔いて本葉が出たくらいの時に一本ずつピンセットで苗箱のトレイの穴に一つづつ植えていくのです。
 とても細かい作業で、目と神経を使います。ここまで手間暇を掛けて育てる赤しそも梅の作柄ひとつで大暴落というのも珍しくありません。
 本当に不安定な作物ですが、今年も待っていてくれるお客さんがいると思うと作業にも力が入ります。

 
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