No.36
2004.9.11
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あたか農園だより
台風被害

 台風16号で早蒔きの人参が瀕死の状態なのに一週間もたたずに18号の襲来。それも30年来無かったくらいの猛烈な勢力という。これで人参は終ったと覚悟を決めましたね。
 ところが通り過ぎた翌日の朝、恐る恐る畑を見て回ってびっくり。ちゃんと残っているではありませんか!少しは倒されたのもありますが、次の人参にはほとんど被害がなかったのです。荒れ様はたしかに凄かったですよ。ニュースでも伝えられていますが、なにせ、我が家の庭の欅やショロの木が倒れるくらいですから・・・。自然は分らないものです。 

 ちょっとはホッとしていますが16号の痛手はそのまま、目を皿のようにして見れば緑の茎が残っているのですが、遠目には何もない地肌ばかりの畑です。大減収は避けられないところですが、はたしてどれだけ残ってくれるのか。しばらくキツイ様子見の日々が続きます。

何とか助かった遅蒔きの人参
倒れた欅とショロ、欅は根が弱っていた。

 自然の恵みをいただいての農業ですから、時として牙を剥かれることも農家はある程度覚悟はしています。その事でどうかしてくれという気は毛頭ありませんが、一連の台風被害報道をみていると、その深刻さの扱い方にバランスを欠いているような気がしてなりません。飛行機が飛ばない、会社に行けない、店が開けない、と繰り返し大騒ぎしています。たしかに、予定が狂う、売上げが落ちる、余分な出費があるなども大変だと思いますが、それって、その時だけでしょう。農家の場合、作物が被害を受けると数ヶ月間それを引きずります。果樹などは翌年の作柄まで響く。そして即深刻な収入減に繋がるのです。仮に台風で給料が2割、3割減ると想像してみてください。深刻さを感じていただけるのではないでしょうか。ことさら被害者扱いされたくはありませんが、農業被害がただ足止めをくった事と同じ比重で報じられているような側面もあるのではという気もします。
 でも、農家は意外と打たれ強いようです。よくニュースなんかで全滅しているのに笑っている農家が映っているでしょう。昔から自然と向き合う中でこういう経験を重ね、DNAの中に組み込まれているのかもしれませんね。凹まない遺伝子か、あきらめやすい遺伝子か分りませんが・・・。

所々残っている人参が分るでしょうか?
倒れた人参はこれからの天候次第か。
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