No46
2005.7.18
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☆水のありがたさ
我が家の畑は、芦屋台地といって芦屋町、遠賀町、岡垣町と三町にまたがる丘陵地にあり、そのため遠賀平野から水を供給する灌漑施設が整備されています。古くなって漏水など故障も多く、配管の敷設替え工事が行われ、その切替工事のため六月7月の二ヶ月間送水停止となりました。
そこへ皮肉にも今年の空梅雨です。赤しそを枯らすわけにもいかず、5トンの水槽と4トンの散水車をレンタルして遠賀町の田んぼからピストン輸送。5本のスプリンクラーを回すと4トンの水は15分で無くなります。昨年までは一ヶ所2時間くらい回していましたので32トンもの水を使っていたことになります。全部回すと数十ヶ所。いやー!今までいかに安易に水を使っていたかを、つくづく思い知らされました。こんな事があると水の貴重さが分かります。
水だけでなく空気や緑なども無くなりかけてみないとそのかけがえの無さに気付かないのかもしれません。
普段の赤しそ出荷中でも睡眠不足気味になるくらい忙しいのですが、それにこの灌水作業も重なって六月の終わり頃は立っていても居眠りするような状態で、もう少しこの干ばつが続いていれば危ないところでした。
そんな今シーズンの赤しそも7月15日で終了しました。ありがとうございました。
ただ、こういう状況で値段は高く、お買い求めいただく方には心苦しいものがありました。 我が家まで買いにみえる方も値段を聞いてビックリされるので、もう少し待たれたら、とお奨めしたくらいです。以前は、「あたかのしそ」でなくては!と我が家まで足を運んで下さる方から高くは頂けない、と市況よりも安くお分けしたこともあったのですが、「あの人はこの値段で買ったと聞いた。」と言って来られる方が多くなってしまいました。
赤しそは季節商品で、今日は一束100円でも翌日は300円ということもあります。他の野菜と違ってその日その日が勝負です。いろいろ悩んだ末に、どなたが来られても前日の卸売り市場のセリ値を基準にお分けするように決めました。
農家は、「あなたの作ったものでなければ!」という言葉に弱く、つい、「えーい!金はいいから持ってけー。」という気持ちになり、「高い!もっと安くなりませんか?」と言われると「他で買ってください。」となる。農家は商売人には成れないだろうなーと、つくづく思います。
★農家は商売下手