あたか農園ニュース
No.7
2002.4.20
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花を見る心は複雑
 我が家の畑ではありませんが、
畑一面に咲き乱れる黄色い花。
 実は、菜の花ではなくキャベツ
の花。
 暴落して、放置されたキャベツ
からもこんな美しい花が咲く。
 手を掛けて育てたからには、
全部収穫したいのが農家の心情。
 でも、出荷経費にも届かない
単価では放置するか、鋤き込む
しかない。

 この花もやがて鋤き込まれる。
 最近の野菜の価格の低迷は、様子が違うような気がする。
 昔も価格の安いときはあったが、一年を通じてみればたまに高いときもあって、
何とかバランスがとれていた。ここ数年、そのたまの高いときがない。
 景気が悪いことや、市場法が変わって、卸売市場では相対取引が主流になっ
たことなど、いろいろ要因は考えられるが、輸入が増えたのが一番大きいので
はないだろうか。他の産業と同じく日本から技術も資本も持ちこんで日本に輸出
する開発輸入が急増していると聞く。物価も賃金も日本の十分の一、二十分の一
のところで生産すれば、国内産は価格競争では逆立ちしてもかなう訳が無い。
 だからといって私は、農業団体や一部の農業者が言うように、高い関税や輸入
制限をすればいいとは思わない。これまで農業は、そういって補助や保護に甘え
て、その間にやらなければならなかった自らの構造改革を怠ってきた気がする。
 社会が進歩すれば行動範囲は広がる。国際化は歴史の流れといえる。止めよう
としたり、逆らうより流れをうまく捉えることだろう。自分の経営は自分で考えるしか
ない。 なんて、もっともらしいことを言っても、今活路を見いだしているわけでは
ないのだが・・・。
 ただ、先日どの新聞だったか、「生産したり、育てることを忘れた国は滅びる。」
という言葉があった。安い背広や家電が買えると喜んでいたら、いつのまにか
その事が回り回って働く場所が無くなっている。経営が苦しいのを社会のせいに
するつもりは無いが、「生産する」「育てる」という事の大切さを、教育も含めてもう
一度見直さないと、この国はおかしなことになっていくような気がする。
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