No.71
2007. 8.14
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あたか農園だより
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少し傾いてきました。
 心配していた台風5号の影響も今のところ思ったほどではないようで、出揃った穂が少し傾いてきました。
 順調にいけばあと一ヶ月くらいで収穫出来るようになるでしょう。
 何事もなく豊作を迎えられればいいのですが、これからが台風本番ですし、イモチ病や紋枯れ病、害虫のウンカなど、心配の種は尽きません。
 それでも、病害虫のリスクが一番高い出穂を過ぎましたので、残念ながら除草剤は使いましたが、病害虫の農薬は一度も使わずに済みそうです。
大地の香り
 家の中でも35度以上あったりして、今年の猛暑はちょっとハンパじゃないような気がしますね。
 先日は畑で作業中、急にふら〜っとしたような気がして、これはヤバイ!と早々に帰ったこともありました。「命あってのモノダネ」ですからね、ホントに。
 
 そういう中でも、お盆を過ぎると秋冬野菜の蒔き付けが始まります。そのため肥料を散布したり耕したりの畑の準備はしておかなくてはなりません。
 その作業の中に「深耕」という作業があります。 
 トラクターの後にプラウ(鋤)という作業機を取り付けて引っ張りながら、30cmくらいの深さの土を反転させながら耕(おこ)す作業です。ちょうど刺身を引くような感じで幅40cmくらいづつひっくり返していくのですが、上の土が下へ入り、下の土がその上へきれいに被さっていきます。
 この上へ上がってきた土にいつも見惚れてしまいます。
 乾き過ぎもせず、湿りすぎもせず適度の水分を保って実にいい色をしているのです。
 もちろん、大雨の後はもっと湿ってるのでしょうが、時を置かずに土の中を適度な状態に戻し、降ったり照ったりの地表の変化に影響されない一定の状態に保ちつづけているのです。
 水分と共に養分なども余分なものは吐き出し、適度に含み続けるこの土の不思議な力で作物だけでなく地上のあらゆる緑が維持されていることを思うと自然の力が持つ仕組みの偉大さを感ぜずにはいられません。
 土を手にし、そのほどよい感触を確かめ、かすかな香りを感じる時、うだるような暑さもしばし忘れています。
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