あたか農園だより
No.79
2008.4.17
コシヒカリと名乗れなくても。
 我が家の米のほとんどは、御愛顧いただいている消費者の方に直接お届けしていますが、不作の年でもその方々に御迷惑をかけないような量にとどめています。
 それ以上採れたお米は、袋に詰めて直売所などで販売しています。
 品種は間違いなく「コシヒカリ」なのですが、左の写真のように「純コシ」と表示しています。 
 「コシヒカリ」に限らず「夢つくし」でも「ひのひかり」でも、決められた検査を受けないで正規の品種名を表示して販売することは法律で禁止されているのです。
 我が家の米は、その検査を受けていないので「コシヒカリ」と表示できずに、純粋なコシヒカリですよ、という意味を込めて「純こし」と、しています。
 種は農協を通じて、右の写真のように種子用に栽培された富山のコシヒカリを毎年購入しています。 
 検査を受ければ済む話で、今は規制緩和とかで民間の業者(たとえば資格を持った米屋さん)でも検査が出来るようになったのですが、検査の依頼手続きや料金が必要になります。それらは農家が負担するか、米代に上乗せするしかありません。
 たしかに、農家や流通業者もいろんな人がいるでしょうから中には良心的でない人もいるかもしれません。買って開けてみたらひどい品質だったということが無いともかぎらないことを考えれば、一定の品質であることを確認するる検査は必要かもしれません。
 しかし、この検査はサンプルを皿にのせ、見た目で色や被害粒が無いか見てその程度によって等級を決めるだけです。品種を特定して保証するような検査(たとえば遺伝子検査のような)ではありません。見ただけで品種を言い当てる検査官が居たらお眼にかかりたいものです。検査の有無で品種の表記まで規制する意味があるとはとても思えません。
 検査で3等級になった米でも1等級の米より美味しいということはよくあるのです。
 消費者にとっては、見た目の良さより味の良さでしょう。
 品種表示にこだわるより、安全と美味しさにこだわってこれからもお届けしたいと思っています。

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