あたか農園だより
No.92
2009.5.27
油断するとこのように
 まさにメッシュ状態ですが、これも赤しそです。こんなふうにした犯人はヨトウムシという虫で、成虫になるとヨトウガという蛾になります。この赤しそひとつに7匹いました。もうすぐ収穫が始まりますが、こうなると出荷は無理です。ただ、この害虫はあまり移動しないので畑全体に広がる前に対策が可能です。
 他にも赤しそを好きな虫は多くて、油断していたらこんな赤しそばかりになりかねませんから、生育期間中に数回の農薬散布が必要になってきます。無農薬というわけにはなかなかいきません。
 もちろん、安全基準を厳しく守って必要最小限の散布ですから、その点はご心配要りませんが、逆に安全過ぎて虫も死なないことが悩みのタネです。そのうえ、農薬の値段はびっくりするほど高いのです。ペットボトルのお茶と同じ500ccで一万円もするものもあります。これも発ガン性や催奇性の検証などで開発費用がかさむのは安全の為ですから致し方ありません。効かないうえに高い農薬ですからできれば使いたくないといちばん思っているのは実は農家なのです。でも、メッシュには出来ない。悩みは尽きません。
自然が戻った?
 今年も田植えが近づいてきました。
その準備で田んぼに水を入れ代掻き作業をしていると、必ずといっていいほど何処からともなくシラサギの群れが舞い降りてきます。トラクターが近づいても平気で、すぐ前や後で田んぼの虫をついばんでいます。この大きな機械は危害を加えないと分かっているようです。
 このシラサギが近年増えてきたような気がします。シラサギが増えるということは、その餌になるカエルやミミズなどの虫たちも増えたということでしょう。昔、毒性の強い農薬が使われていた頃いなくなっていたメダカやフナなどの魚もよく見るようになりました。
 農家を悩ます効かない高い農薬も自然環境の回復には役に立っているのかもしれません。その農薬も使わないに越したことはありません。今年も無農薬の米つくりに挑戦です。

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