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No.94 2009.7.21 |
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上の白く見えるタンクに肥料が20kg入ります。エンジンなどの本体が10kg以上ありますから、合わせて30kg以上を背中に担いで田んぼの中を振り回しながら歩くわけですから、かなりの重労働です。今年は少し曇り気味だったのでまだよかったのですが、この時期はギラギラ照りつける猛暑日が多く、おまけに田んぼがぬかるんでいたりすると、もう地獄です。 でも、美味しいお米を、しかも沢山出来るようにするためは欠かせない作業で、その年の稲の状態を見ながら散布する時期、量などを判断しなければならない、けっこう難しい見極めを要します。(意外と農家も頭使っているでしょう!(^^)!) 今年は、田植え直後の強風で葉先が枯れたりしたこともあって少し生育が抑えられ、株張りも少し足りない気もしますが、全体的には順調に育っていると思います。 農薬も今のところは一度も散布せずにきていますから、あとは穂が出る頃を乗り切れば今年も無農薬米をお届けできる予定です。 |
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![]() 専門の機関に土壌を調べてもらっても特に何かが足りないとか、偏りがあるというわけでもなく原因が分からない時もあります。 次の年も同じように悪いので、肥料を多くしたり、微量要素を振ってみたりしても、それでも治りません。そんなときに堆肥を入れ続けるとなぜか通常に近い生育に戻ることがありました。 よく土には堆肥を入れたほうが良い作物が出来る、と聞かれたことがあるのではないでしょうか?そう聞くと、堆肥にはさぞかし豊富な肥料成分が含まれているような印象を受けるでしょう。でも、よく熟した堆肥にはそれほど肥料成分は含まれていないことが多いのです。まったく無いわけではありませんが、種類によっても違いますが化学肥料に比べて10分の一くらいでしょうか。 もともと検査で異常のなかった土壌ですから、数値に劇的な変化があるわけでもありません。数値には表れず理論的に説明出来なくても、土は明らかに変わっているはずです。 たぶん、土の包容力のようなものが増したのではないかと思うのです。何かの肥料成分が足りなくても、過剰でも、また乾燥が続いたり、逆に雨が多くても、どんなことも受け止め包み込んで緩和する包容力というか基礎体力があれば、普段は見えなくてもいったん逆境に会うと強いのでしょう。 通常の栽培では、化学肥料の効果はすぐ表れます。作物の色は良くなるし、生育の進みは歴然としたものがあります。その即効性に魅せられて農家はついそちらに走りがちですが、土の基礎体力をつくる地味な努力の重要さを痛感させられました。 考えてみると、農家だけでなく、今の社会も効率や成果を求めすぎて、この「堆肥」的なものがなおざりにされているような気がしてなりません。 |
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