あたか農園だより
No.96
2009.9.25
今年も無農薬のお米が出来ました。
 最近は、どの農家も昔に比べれば農薬の散布回数は少なくなっています。それでも、蒔く前の種に一度、箱の苗に一度、田植え後に2回程度が一般的で、農協の指導もそうなっています。我が家はここ数年、これらの農薬をまったく使わずに済んでいます。
 雑草対策のジャンボタニシに食べてもらう方式も最初は上手くいかず、苦労することありましたが、最近は残った草の手取りも僅かな時間で済むくらいになりました。
 病気も害虫も多少発生し、実の入らない籾粒も軽いので田んぼに落ちているのがわかるし、実の充実が足りない下米も他の農家よりは数倍くらい多いのですが、より安全な米を届ける事が出来る喜びに比べれば少しも気になりません。
 こういう農業をやっていると、草も病気も虫も多少はあるほうが自然で、親の仇のように一匹でも見つけると農薬を撒き、一本でも草をはえないようにヒステリックになっていた昔は何だったのだろう?と思えてきます。
 何が何でも無農薬とこだわっているわけではありませんが、使わずに済めば出来るだけ使わない。自然との折り合いをつけながらこれからも安全な米作りを続けられるようにしたいと思います。
結局不都合な天候
 8月、9月と雨が少ない。乾燥気味で水掛けが欠かせません。秋冬野菜の蒔き付けがほぼ終わったので、一通り掛け終わるにも何日かかかります。こんなに忙しい目にあっても、台風も来なかったし、こういう年は生育が順調なのでだいたい豊作が多く、価格は暴落、なかには圃場廃棄なんてこともよくあります。
 逆に天候不順で、台風で全滅することもあれば長雨で蒔き付けが出来ないこともあります。
 考えてみれば、降っても照っても思うに任せず、農家が顔を合わせれば愚痴ばかり、お天道様に言わせれば、「どうすればいいんじゃ!本当にわがままな人間め!」ということになるのかもしれません。

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