あたか農園だより
No.97
2009.10.17
百姓殺すに刃物は要らぬ
 百姓殺すに刃物はいらぬ、雨の十日も降ればいい。という言葉を聞きます。(百姓だけではなかった気もしますが・・)

 10月2日に降った大雨で、収穫間近だったホウレンソウはご覧の有様です。
 大雨といっても記録的とまでではないのですが、それまで乾燥が続いて、それに応じて伸びていた根が一気に飽和状態になった水で腐ってしまったようです。

 畑に傘をさすわけにもいかない露地栽培の宿命で、時々は起こりうる事なので想定内の事として織り込み済みでなければならないのですが、せっかく種蒔きから育て上げた野菜の無残な姿を見るのはつらいですね。
 被害はそれだけにとどまらず、8日に接近した台風の強風で他の野菜も葉が傷み、特にまだ幼い小松菜、水菜、ほうれんそうは根元から枯れてしまったものが目立ちます。
 これも、暴風というまでではなかったのですが、台風が東側を通ると、北から西の風に回り、玄界灘の塩分を含んだ風が吹きつけ、作物に予想外のダメージを与えるからだと思います。
 直後はそれほどではなくても、日を追うごとに枯れてついには右のようになってしまいました。

 こうなると、収量は数分の一。残った物も下葉が枯れていたりして調整作業の労力が極端に増えます。
 直売所に限らず、スーパーや八百屋さんでも10日過ぎてからは葉物野菜の値段が高くなっていると思いますが、そういう事情です。
 けっして農家が暴利をむさぼっているわけではないのです。
 まあ、ボヤいてばかりもいられませんから、上記のホウレンソウはこのように鋤き込んで、その跡に今度は小松菜、水菜の種まきです。
 今蒔けば、12月くらいの収穫でしょうか。今度こそ、ちゃんと育てよ、と願いながら種蒔き機を押しています。

 ん?今どき手押しか?ですか?
もちろん、トラクターに取り付ける播種機もあるのですが、小面積づつ蒔くには微妙な調整もきくし、確実なんです。
それに、なによりエコでしょう。
でも、夕飯にビールが要って結局燃費は悪いかも・・・。

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